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アレルギー性鼻炎
現在、国民の30~40%の人がアレルギー性鼻炎にかかっています。(鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版より)
発症も低年齢化しています。
アレルギーとは、体内に入ってきた異物に対して身体が敏感な反応を起こすことです。
敏感な反応というのは身体が異物に対して抗体を作り免疫反応を起こすことで起こり、本来身体を守るために必要な免疫反応が、逆に有害な症状を出すのがアレルギーです。
アレルギーを引き起こす元となる異物をアレルゲンと言います。代表的なアレルゲンには、ハウスダスト、ダニ、スギ花粉があります。
検査法
いくつかの検査方法を組み合わせて診断を行います。
血中の抗体検査はアレルゲンに対する抗体の中で、アレルギー反応と関係のある、免疫グロブリンE(IgE)抗体の量を調べます。
花粉症の人は花粉に対するIgEの値が高いと言われます。
また、鼻汁の粘液を採取して、好酸球数を調べる鼻汁好酸球検査があります。
治療と管理
- 薬物療法(抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、漢方)
- 外来での下甲介粘膜焼灼術(高周波ラジオ波治療)
予防法として、アレルゲンを鼻の中に進入させないこと。マスクや鼻の入口部にゼリーを塗る方法が有効です。
アレルギー性鼻炎のラジオ波治療について
アレルギー性鼻炎のラジオ波治療は、病的にむくんだ鼻の中の粘膜をラジオ波によって焼く治療法です。
ラジオ波治療は、レーザー治療よりも比較的低温度で作用するため周辺の鼻の粘膜に対するダメージが少ないという特徴があります。
また、レーザー治療を繰り返しても鼻づまりの改善が悪い方に作用が期待できます。
この治療は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が改善され、特に鼻づまりがひどい方に改善が期待できます。
アレルギー体質を根本的に治す治療ではありませんが、一度治療をすると1年から数年は作用が持続します(個人差があります)。
治療の時期は、通年性アレルギー性鼻炎の方は特に季節は関係ありませんが、スギ花粉症の方は、花粉飛散の2カ月前(1月中旬)までに行われたほうがいいでしょう。
実際の治療は、麻酔(鼻の中に麻酔薬のついたガーゼを挿入する)、ラジオ波焼灼をあわせて1時間程度で、外来での治療が可能です。治療後の痛み、出血はほとんどありません。
帰宅してから多少鼻出血が続く場合があります。治療当日の入浴はひかえてください。治療後2~3日は一時的に鼻づまりがひどくなり、分泌物や血の固まりがでますので、こまめに受診されることをお勧めします。治療後3~4週間程度で鼻の中の状態はかなり落ち着きます。なお、1回の治療で作用が不十分であれば、再度ラジオ波治療を追加します。
費用は健康保険が適用され、3割負担の方で7,000円前後です。
ダニアレルギーに関する舌下免疫療法について
ダニのエキスを毎日舌下から吸収させることで、ダニアレルギーの症状を軽減させる体質改善の治療です。
検査結果(採血など)がない方は、まず採血検査を行い、治療を説明いたします。
最低3年間、1カ月に1回の診療通院が必要となります。
※スギ花粉症とダニアレルギーの舌下免疫療法は同時に行うことができます。(スタートは1カ月ずらします)
副鼻腔炎
ウイルスや細菌による急性上気道炎(かぜ)に続いて起こる副鼻腔の粘膜の炎症を言います。
ほとんどは少なくとも4週間前後までの治療で治る急性副鼻腔炎ですが、症状が続き、そのままで固まってしまうと、慢性副鼻腔炎(蓄膿ちくのう)になります。
他にも、歯が悪くて起こる歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)、カビによって起こる真菌性(しんきんせい)上顎洞炎があります。
症状
風邪をひいた後などに、
- 頭の痛み、頭の重い感じ
- 頬の痛み、歯の痛み、目の奥の痛み
- 臭いのある鼻汁、膿みのような黄色い鼻汁、後鼻漏(喉の方に流れることもある)
- 鼻づまり
治療法
1.薬の内服が主となります。
- 抗生剤(細菌を殺すため)
- 去痰剤、粘液正常化剤(膿うみみを排せつしやすくするため)
- 消炎鎮痛剤(炎症をおさえたり、痛みをおさえるため)
2.鼻のネブライザー
鼻を処置して、鼻汁をきれいに取ってから、霧状の薬を直接、鼻の粘膜にかけます。
3.鼻腔洗浄(鼻うがい)療法
専用の器具などを用いて、生理食塩水で鼻を洗浄します。
アレルギー原因物質や粘度の高い鼻汁などを除去し、鼻をすっきりさせる作用があります。
※慢性副鼻腔炎の場合は、マクロライド系抗生物質の少量長期投与(通常の1/2量の抗生物質を8~12週間内服する)により、約70~80%の方が改善しています。